南塔(ナントゥー)の創作ルーム

4月下旬頃に小説家になろうからアルファポリスに移行。

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シンフォニーメモリアル12章

『ギャザリングレールウェイ編』

~本文~
ロクロ、ライラ、ナーシャルは雷の精霊の力でトワイライトサンダー山頂からギャザリングレールウェイ近郊に移動してきた

ロクロ「あっという間に移動してこれたな。」

ライラ「そうね。」

ナーシャル「ふふっ♪お二人とも手を繋いだまま街まで行くつもりですか?」

ライラ「わわっ!?ナーシャルさん、私は山頂から移動しているだけ繋いでいようかと思ってて…」 と若干、頬を赤らめながらも繋いでいた手を離した

ロクロ「なんだ、もういいのか?」

ライラ「い、いいわよ!」

ナーシャル「いずれ風の精霊さんと水の精霊のような関係になるのでしょうかね〜♪」

水の精霊「ワ、ワタシたちはそんな関係じゃ…ねえ、風の精霊?」

風の精霊「う、うむ…。」

雷の精霊「恋の進展はまだまだ先になりそうですね。」

ライラ「は、はやくギャザリングレールウェイへ行きましょう!」

雷の精霊「ギャザリングレールウェイはここから南南西方向に進んでいくと街が見えてくると思いますよ。」

ロクロ「山脈は北から南へ真っ直ぐ連なっているわけでもないんだな。」

雷の精霊「クダラド山脈は三日月に近いカタチとなっているので両端が東側に逸れているんです。」

ライラ「なるほどね。だから西寄りに少し進むようになるのね。」

ナーシャル「レールウェイと名が付くということは交通網が発達しているのでしょうか?」

雷の精霊「仰る通りです。西側の街アビラエナジーから東南東方向へ移動していくとギャザリングレールウェイに辿り着くので、そこから北方面や東方面へと“ユニバース リニア”に乗って移動していくみたいですよ。」

ロクロ「んじゃあ、それに乗ってムゾア達はリディンボルテックへ帰ったってことか。」

ライラ「ほんと、この大陸は近未来な世の中を創り上げていくところね。」

水の精霊「きっといつの時代も人は変化を求めるものなのよ。」

風の精霊「ここで話していると街に着くまでに日が暮れるぞ。」

ロクロ「だな。それじゃあ、ギャザリングレールウェイへ向かうか。」
3人と精霊エレメントは道なりに進んでいき、街が一望できる場所までやってきた

ライラ「あれがユニバースリニア!?乗り物が宙に浮いてるみたいよ!」

ロクロ「スゲェな!この大陸に着いてから驚かされることばかりだぜ!」

ナーシャル「まさしく近未来といった感じの街ですね。」

雷の精霊「こうして街を眺めると文明の進歩を感じますね。」

風の精霊「だがそれと同時にランサーといった組織も生まれてくる。」

ロクロ「進歩していくってことは決して、良い事ばかりじゃないんだろうな…。」

水の精霊「ワタシが生きていた時、よく聞いたことがあったわ。【次代の繁栄と共に衰退していく文明あり】って。」

ライラ「私達が生きている時間に限りがあるように、文明もいつか終わりが訪れるのを避けられないってことかしらね。」

雷の精霊「時代の流れは誰も予測することは出来ませんからね。」

心の中の声ロクロ (キングって奴は一体、俺たちに何を見せたいんだ…。) そう疑問に思いながらロクロは、ライラとナーシャルと共に眺めているギャザリングレールウェイへと向かった

~ギャザリングレールウェイ~
ナーシャル「この街はレジェンバインドのように入り口を警備する人を配置していないみたいですね。」

ライラ「この大陸の交通網の要となっている割には警備員が少ないですよね。」

ロクロ「その代わり、監視カメラでこっちの様子を見られてるみたいだぜ。」

ライラ「そうみたいね。ダミーカメラも含まれてる可能性もあるけど、これだけ色んな場所に設置されていたら下手な行動は避けた方が良さそうね。」

ナーシャル「もしヤックちゃんがいた場合、そう聞くと余計にアピールしていたかもしれませんね。」

ロクロ「アイツの場合、監視カメラにむかってイェーイ!!とか言ってピースしそうだな…。」

ライラ「あり得るわね、それ。」

ロクロ「まあヤックの話はさておき、街の人にロールフランドって奴がこの街に居るのか聞いてみようぜ。」

ナーシャル「ええ、そうしましょう。」

~街の広場~
ライラ「随分とお洒落な広場ね。」

ナーシャル「洋風の広い公園といった感じですね。」

ロクロ「とはいえ、ここも監視カメラは至るところに設置されているな。」

ライラ「ここまで監視するようになっているのには、なにかワケがありそうね。」

?「そこの可愛いレディーの言う通りだ。」

ナーシャル「あなたはこの街に住んでいらっしゃる方ですか?」

?「いや、私はこの街には住んではいない。住んでいるところはこの街から少し離れている。」

ロクロ「ここには何の目的があって来たんだ?」

?「ロールフランド邸に用があるのさ。ビジネスに関することでね。」

ライラ「ロールフランド…!」

ナーシャル「恐れ入りますが、お名前をうかがってもよろしいですか?」

アルバート「私はアルバート・レイナルド。資産家であり、投資家でもある。貴女は?」

ナーシャル「ナーシャルと申します。」

アルバート「ナーシャル?何処かで聞いたことある名前のような気がするが…。」

ナーシャル「おそらく人違いだと思いますよ。」

アルバート「そうか…それなら失礼した。君たちの名前も教えてくれないか?」

ライラ「私はライラです。」

ロクロ「俺はロクロ。アルバートさん、俺たちもロールフランド邸へ連れて行ってくれないか?」

アルバート「彼はとても警戒心が強いから、それなりの地位を持つ者以外を招き入れることはないから厳しいと思うぞ。」

ライラ「そうですか…。」

アルバート「だが、私が直接頼めば承諾してくれるかもしれない。」

ロクロ「本当ですか!?」

アルバート「ああ。ここで立ち話して時間が過ぎていくのもなんだから、ロールフランド邸に向かいながら話をするとしよう。」

ナーシャル「急な頼み事にも関わらず対応いただき、誠にありがとうございます。」

アルバート「礼には及ばんよ。では、行こうか。」

?「あとは彼女がやってきたら、役者が揃うわね。」

ロクロ「アルバートさんって、ライマナスグループのこと知ってたりするのか?」

アルバート「ライマナス家は知ってるもなにも、この大陸では有名な一家だ。それがどうかしたのかな?」

ロクロ「実は俺達、そのライマナス家のムゾアと友達なんだぜ?」

アルバート「それは凄いな。この大陸には富裕層がたくさんいるが、その中でライマナス家の息子と友達になるとはなかなか難しいことだ。」

ライラ「やっぱりムゾアって子、凄いのね〜。」

ナーシャル「ガイウンさんとヤックちゃんに改めて感謝ですね。」

ライラ「あのときの行い7章を除けば、ですけどね。」

アルバート「もしかしたら息子さんと友達だということを話すと、ロールフランド氏も屋敷へ招き入れてくれるかもしれないな。」

ロクロ「やっぱ俺達、なにか持っているものがある感じだぜ!」

ナーシャル「あっ!屋敷が見えてきましたよ!」

アルバート「あれがロールフランド氏が居る邸宅だ。昔は誰でも招き入れるぐらいの開放的な門構えをしていたのだがな…。」

ロクロ「なにかあったのか?」

アルバート「…この街が変わったことは落ち着いた時に話をするとしよう。今はロールフランド氏に会うことが優先だろ?」

ライラ「そうですね。私達、他にもやることがあるので。」

アルバート「君たちにどんな事情があるのかは分からんが、私が出来る範囲での協力はするつもりだ。」

ロクロ「アルバートさん、ほんと助かるぜ。」

アルバート「私もビジネスの世界で生きているからね。君たちから今は微かにだが輝くモノを感じる。」

ナーシャル「そういえば私、顔に日焼け止めクリームを塗るの忘れていました。」

ライラ「今それを思い出すんですかっ!?」

ナーシャル「すみませんが、ちょっとだけ待って下さいね。」
その場で立ち止まり鞄から鏡付きのメイクパレットを取り出し、日焼け止めクリームを顔に塗った

ライラ「私も日焼け止めクリーム、塗った方がいいかしら…。」

ナーシャル「この日焼け止めクリーム、使ってみます?」

ライラ「是非、使わせて下さい!」

ナーシャル「はい、どうぞ。」

ライラ「ありがとうございます。あ!これ、最近話題になっている日焼け止めクリームですよね!」
ナーシャルとライラは日焼け止めクリームの話で盛り上がっていた

アルバート「では、私は先に行って門を警備してる者に確認をとってくる。彼女たちの用事が済んだら私のところに来てくれたまえ。」

ロクロ「わかった。」
アルバートは先に邸宅の門を警備してる人の元へ歩いていった

ナーシャル「(ライラさん。念の為、万が一のことを想定しておいてください。)」

ライラ「(え?もしかして…あのアルバートさんですか?」

ナーシャル「(現段階でアルバートさんと関係しているのかを断定することは出来ませんが、誰かに見られている気がします。)」

ライラ「(わかりました。このことをロクロに教えましょうか?)」

ナーシャル「(もし話せるタイミングがあれば伝えてください。)」

ライラ「(わかりました。)」

ロクロ「おーい、2人ともアルバートさんの所に行こうぜ!」

ライラ「分かったわ。」

ナーシャル「今、そちらへ向かいますね〜。」

?「彼女、もしかして私の存在に気付いているのかしら?」
ナーシャルは人の気配を感じ取ったことをライラに話し、ロクロと共にアルバートがいるところへと向かった

アルバート「化粧直しは済んだようだね。」

ナーシャル「はい。お待たせして申し訳ございません。」

アルバート「構いませんよ。こちらは日が暮れる前までにロールフランド氏に会えればいいので。」

ライラ「ロールフランド氏は私達とお会いしていただけるのでしょうか?」

アルバート「私の知り合いという事とライマナス家の息子さんと友達であることを伝えると、快く承諾してくれた。」

ロクロ「アルバートさんって出来る男って感じだな!」

アルバート「ロクロくん、それは少し買い被り過ぎではないかな。」

ライラ「いえ、アルバートさんは余裕のある男性の見本って感じですよ。」

ナーシャル「ライラさんの言う通りだと、私も思います。」

アルバート「ハハ、女性陣からそう言われると嬉しく思うよ。では、私の後についてきてくれたまえ。」

心の中の声ロクロ (いよいよ、ロールフランドって奴に会えるんだな…。)
ロクロ達はアルバートの後をついていくように門を潜り抜け、ロールフランド邸内へと入る

~ロールフランド邸内~
ロールフランド「ようこそ。我がロールフランド邸へ。そちらがアルバートの言っていた方たちですかね?」

アルバート「そうだ。先に説明しておいたが、彼らはライマナス家の息子ムゾア氏のご友人だそうだ。」

ロールフランド「ほう…あの有名なライマナス家の息子さんと。…ん?」
心の中の声ロールフランド (あれはウェポンソーサラー…!何故、あの少年たちがアレを持っている!?)

アルバート「さて私とロールフランドは、これからビジネスの話をするが君たちはどうする?」

ロクロ「俺たちはビジネスの話をしにきたワケじゃないからな…。」

ロールフランド「君たちも近くで話を聞いていくといい。それでも構わんかね?アルバート。」

アルバート「私は構わないさ。もし重要な話をするなら彼らを連れてはこないからね。」

ナーシャル「お気遣いいただき、ありがとうございます。」

アルバート「貴女のようなお美しい方を私の秘書として是非、雇いたいものだ。」

ライラ「(キャー!!これってもしかして、ナーシャルさんがアルバートさんに口説かれているんじゃないかしら!?)」

ロクロ「(んなこと知らねえよ。ただまあ、この光景をガイウンが見たら大剣振り回して暴れそうだがな。)」

ライラ「(リーダー、ナーシャルに一目惚れしているからそうなりそうね。)」

ロールフランド「相変わらずフットワークが軽いな、アルバート。それで今まで何人の女性を虜にさせてきたのだ?」

アルバート「私はただ普通に接しているだけさ。」

ライラ「(これはリーダーじゃ、敵いそうもないわね。)」

ロクロ「(かもしれねえな。)」

ロールフランド「まあともかく、商談部屋へ案内しよう。」

~商談部屋~
アルバート「では今日、私が訪ねてきた理由わけから説明するとしよう。」

ロールフランド「話を続けたまえ。」

アルバート「まず先日、レジェンバインドで起きた事件のことについてだ。」

心の中の声ロクロ (レジェンバインド…!)

アルバート「どうやら行方不明となったのは、バルバント国王とサマライズ大陸のお偉い方たちだけらしい。」

ロールフランド「それに関しては、この大陸の要人から説明を受けている。」

アルバート「そうか。やはりバルバント大陸王様が行方不明となると、情報が瞬く間に伝わっていくな。」

ロールフランド「付き添っていた者が言うには人数は3名。会議室で会談を行っているときに突然現れ、国王たちを連れて姿を消したらしい。」

アルバート「街の被害は?」

ロールフランド「被害は特になかったようだ。」

アルバート「なるほど…だとすると、その連れ去った奴らは国王たちが来ることを事前に知っていて、計画を立てていたかもしれないな。」

ロールフランド「あるいは側近に内通者スパイがいたか。」

アルバート「私たちが所属している『センチュリオン ファウンデーション』から、その事件を解明する要請が出た。」

ロールフランド「わかった。こちらでも事件が起きた日以降、この街に不審な者がいなかったか調査してみるとしましょう。」

アルバート「助かる。それともう一点、その事件が起きた際、いつもと違っていたことがあった。」

ロールフランド「なにが変わったことでも?」

アルバート「本来、国王は常に親衛隊長のリゼムンを傍につかせているのだが、あの日は国王の傍にいなかった。」

ロールフランド「バルバント国内で別の用事があって来ていなかったのではないのですか?」

アルバート「いや、実はそのリゼムンは以前から行方不明が分からないままらしい。その件で今回、他の大陸から来るお偉い方たちに尋ねるつもりで来訪したのではないかと財団はそう見解している。」

ロールフランド「つまり国王は、リゼムンを行方を捜しにやってきたのが本題だということですか。」

アルバート「我々はその可能性が高いと思っている。」

ロクロ「あの、俺から一つ疑問に思ったことを質問しても大丈夫か?」

アルバート「どうしたのかね?ロクロ君。」

ロクロ「こんな出来事が起きるってことは、今までドコか抑圧して世界や国を治めていた部分があるんじゃねえかな?」

アルバート「…。」

ロールフランド「君が政治的な話をするにはまだはやい。知らない方が幸せな事もある。」

ロクロ「だけどよ!極一部の権力者だけで世界を動かしていくってのはどうかと思うぜ!そんなことをしていたら徐々に不満が溜まって反発がおきて、それこそ争いに発展する可能性だってある。」

ロールフランド「そうならないようPJFポリスジャッジメントフィールドが設立されているのですよ!」

アルバート「少し落ち着け、ロールフランド。彼は彼なりの意見を述べているだけだ。」

ロールフランド「わかっている!がしかし、世の中は一筋縄ではいけない部分もあるのですよ!」

アルバート「すまないね、ロクロ君。私が君の疑問に対して答えられる範囲で答えよう。」
ロールフランドとロクロが落ち着いたことを確認し、ひと呼吸おいて語り出す

アルバート「私は今まで様々な出来事を目の当たりにしてきた。」

ライラ「そこまで変動したことがあったんですか?」

アルバート「大規模な争いこそなかったが、そうならないように各国で密かに弾圧してきたこともあった…過去の出来事に終止符を打つために。」

ナーシャル「終止符…ですか?」

アルバート「どうやら今から80年程前に精霊人の住んでいた街を焼き払ったみたいだ。今でもその精霊人の末裔たちがいると噂で聞いた事があるが、詳細は未だに分からぬままだ。」

ロクロ「なんでそんな酷いことをしたんだ!?」

アルバート「当時は精霊人に対抗する技術や知識などを持っていなかった為、遥か昔の大精霊人と呼ばれる者が再び誕生することを危惧して実行されたと聞いた。」

ロクロ「でも精霊人は何の力も持っていない者に対して、なにもしなかっただろ?」

アルバート「ああ。なによりその精霊人たちがいたからこそ大精霊人を封じ込めることに成功して平和が訪れたと言われている。」

ロクロ「それなのになぜ…!」

ロールフランド「時が経ち、平和になるにつれ今度は特殊能力を持つ精霊人が怖くなってきたのです。」

ライラ「そしてさっき言ってた出来事が起きたってことですね。」

アルバート「今だとそのような強硬手段をとることはないが、当時はそうでもなかったみたいだ。」

ロクロ「俺にはそんなことをした意味がわかんねえ…。」

アルバート「…少し休憩を挟むとしようか。」

ロクロ「俺、トイレに行ってくる。」

ライラ「私も行くわ。ナーシャルさんも私たちと一緒に来て下さいよ。」

ナーシャル「分かりました。すみませんが、お手洗いをお貸しいただけますでしょうか?」

ロールフランド「どうぞ、ご自由に。」
ロクロ、ライラ、ナーシャルの3人は商談部屋から退出してお手洗いがある方向へと向かった

ロクロ「やっぱさ、人と人が分かり合うってのは出来ねえもんなのかな…。」

ナーシャル「人によって価値観や育ってきた環境が様々なので、難しいのかもしれませんね。」

ライラ「…この廊下、どこかから風が吹き抜けていない?」

ロクロ「どこか窓が開いているんじゃねえか?」
ナーシャルは周囲を見渡していた

ナーシャル「窓からではなく、この辺りの壁から隙間風が吹いているのかもしれません。」

ロクロ「風の精霊に聞いてみっか。おーい、風が吹いている場所を特定してほしいんだけど。」

風の精霊「何度も言うがワタシは便利屋ではない…。」

ロクロ「まあ今はパートナーみたいな関係なんだし頼むよ!…な?」

水の精霊「彼の言う事を聞いてあげたら?」

風の精霊「…承知した。」

ライラ「やっぱり風の精霊は水の精霊に弱いみたいね。」

ナーシャル「それくらいの関係性が一番、長続きするのかもしれませんね。」
2人で話しているうちに風の精霊が場所を特定した

風の精霊「あの奥の壁から風の音が聞こえる。地下室があるのかもしれん。」

ロクロ「サンキュー、風の精霊。じゃあ早速、その壁を確かめに行くとするか。」

ライラ「そういえばロクロ、用を足しにきたんじゃなかったの?」

ロクロ「なんとかも方便って言うだろ?あのま話をし続けても埒が明かない気がしたから、席を外したんだよ。」

ナーシャル「生理現象ならロールフランド氏も止めることはないですね。」

ロクロ「そういうこと。それにランサーの奴らが言っていたことも気になるしな。」
そう言いながら奥の壁の方へと歩いて、ロクロは手当たり次第、壁を軽くノックする
コンコン…コンコン…

ロクロ「特になにも起きないな。ほんとうにここら辺で間違いないんだよな?」

風の精霊「そうだ。」

雷の精霊「手を壁に添えてみてはいかがでしょうか?」

ロクロ「こうか?」
右手のひらを広げたままを壁に触れた
すると壁がスライド扉のように開いた

ライラ「開いたわ!」

ナーシャル「どうやら地下へと階段が続いているみたいですね。」

水の精霊「灯りがともってるところをみると、今でも使われている場所のようね。」

雷の精霊「慎重に進んでいきましょう。」

?「もうすぐ彼らの後を追って、この屋敷に侵入した彼女もやってくる頃かしらね…。」
ロクロ、ライラ、ナーシャルは地下へと続く短い階段を下りていくのであった。

ライラ「なんかここの雰囲気、牢屋みたいじゃない?」

ロクロ「ああ。各部屋に鍵付きの鉄格子が設置されていて逃げられないようにしてるな。」

ナーシャル「なぜ、邸内にこんな場所があるのでしょうかね?」
3人が会話しているとカチャッ…カチャッと音が断続的に聞こえる

ライラ「きゃッ…!もしかして幽霊!?」

ロクロ「なわけねえだろう。」

ナーシャル「奥の部屋から音が聞こえてきましたね。」
音の発生源を特定するため及び腰となって歩いていくライラと、平常心を保っているロクロとナーシャルは奥へと進んだ
するとそこには手錠をかけられていたリゼムンの姿があった

リゼムン「お前たちは確か…ヒュザイナ研究所に侵入した奴らか。」

ナーシャル「ヒュザイナ研究所…?」

ロクロ「まあ、色々と理由があってな。そのことは後で話すぜ。それよりお前なんでこんなところで捕らわれているんだ?」

リゼムン「研究所から邸宅の離れに飛ばされてきたところをロールフランドに目撃されて今に至る。」

ライラ「街にあれだけ監視カメラを設置していたら、この邸宅周辺もたくさん設置しているわよね。」

ナーシャル「事情はともあれ、あの方の手錠を外してあげませんか?」

ロクロ「とはいえ、手錠を外す為の鍵がねえぜ?」

リゼムン「手錠を外すための鍵はヤツロールフランドが常備しているはずだ。」
ロクロ達3人とリゼムンが会話していると、下りてきた階段の方から足音が聞こえてきた

?「この大陸まで飛ばされていたのね。」

リゼムン「その声は…!」

?「私よ、リゼムン。」

リゼムン「マリーナ!無事だったのか!!」

マリーナ「ええ、ただお父様は連れ去られたわ。」

リゼムン「くっ…!やはり陛下は連れ去られたか…。」

ロクロ「おいおい、いきなり現れたと思ったら話をし始めて。2人は知り合いか?」

ライラ「その人はバルバント大陸の王女様よ。無論、私は今まで顔を拝見したことはなかったけど。」

ロクロ「えぇ!?」

ナーシャル「まあ!王女様がナイトを助ける為に、この大陸まで来たのですね。」

マリーナ「私の自己紹介と、ここまで来た経緯は後で話します。とにかく今はここから脱出することを-」

ロールフランド「おやおや、これはこれは。もしやと思って様子を見にきたらバルバント国のマリーナ王女様ではございませんか。」

マリーナ「ロールフランド!貴方はリゼムンを利用して…!」

ロールフランド「街をうろちょろとしていたのは、やはり貴女でしたか。」

マリーナ「貴方の野望の為にリゼムンを利用させないわ!」

リゼムン「くだらん事を企むのは、もう止めろ!」

ロールフランド「私はこれから世界が変革していく為の手引きをしているだけですよ。」

マリーナ「やはり貴方に何を言っても意味がないみたいね!」
するとロールフランドの後ろからアルバートがやってくる

アルバート「やはりレジェンバインドの事件、お前が関わっていたか…ロールフランド。」

ロールフランド「アルバートか…ハハハ!そうだとも!世界が変革する為には必要なことなのだ!」

アルバート「なんと哀れな…センチュリオンファウンデーションに所属しながら、反社会勢力のような奴らの片棒を担ぐとは。」

ロールフランド「お前はこの世界の理をなにも知っちゃいない!綺麗事ばかりで進んでいく世の中ではないことは、お前もよく知っているはず!」

アルバート「……。」

マリーナ「でも貴方がやろうとしていることは、いずれ争いを引き起こすことになるわ!」

ロールフランド「争いこそが世界を変える唯一の方法なのです!!」

ロクロ「それでランサーの奴らと手を組んでレジェンバインドの事件を起こしたのか!?」

ロールフランド「彼らとは利害が一致したまで、ですよ。」

?「その通りよ。ただ貴方の役目はもう終わったわ。」

ロクロ「誰だ!?」

?「そうね…私は貴方達の見張り役、とでも言っておいた方がいいかしら。」

ロールフランド「そ、その声はまさかー」

?「…メジュニタル バルフォーレ」
呪文のような言葉を発した途端、ロールフランドは球体状の空間に吸い込まれて姿を消した

リゼムン「なにっ…!?」

マリーナ「ロールフランドが消えた!?」

ライラ「火の精霊がいた敵の時と同じように姿を消したわね。」

ロクロ「ああ。ただ、さっきの声を聞いた限り、あの女ネフティスとは別の人物みたいだな。」

ナーシャル「やはり私達は街に入ってから監視されていた、みたいですね。」

アルバート「一体、なにが起きたというのだ。」

?「そうして驚くのも無理がないわ。ただの人では成しえない術でしょうから。」

ナーシャル「貴女は先程、私達の見張り役と申していましたが、どのような目的があってそうしていたのですか?」

?「あまり詳しく話すと面倒なことになりそうだから簡単に説明するけど、アナタたち3人がリゼムンとマリーナに出逢う為にここまで誘導した、とでも言っておきましょうか。」

ロクロ「てことは、キングは俺たちがこの街に来るように仕向けたってことか!」

?「そう…そして資格ある者達が全員揃ったとき“あの場所”を訪れて過去を知ってもらうこととなるわ。」

ライラ「あの場所…?」

?「私たちがーいえ、今はそれを話すのはやめておくとしましょう。ロールフランド氏が居ないことが判ればアナタたちに疑いの目をかけられる可能性が高いから、はやくこの街を出た方が良いと思うわ。」
謎の女性は、そう言い残して会話を一方的に終了させた。

マリーナ「さっきの人は私がここに来ていたことを知っていたような口ぶりだった…。」

リゼムン「そうだったな…マリーナ、ありがとう。ここまで助けに来てくれて。」

マリーナ「お礼なんていいわ。それより、一刻も早くこの街から離れることを考えましょう。」

リゼムン「反対側の部屋に俺のウェポンソーサラー武器が置いてあるみたいだが、ロールフランドが居なくなった今、鉄格子を開けるすべが無い。」

マリーナ「私のシンフォニースペクタルで鉄格子のドアを壊せるか試してみるわ。すみませんが、他の皆さんは私から少し距離を置いておいてください。」

ロクロ「分かった。」

ライラ「シンフォニースペクタルって確か私達が腕につけているウェポンソーサラーを開発する基となった魔法みたいなものですよね?」

ナーシャル「はい。昔の精霊人など、限られた人にしか扱えない術と聞いたことがあるだけで実際に使える人がいるのを見るのは初めてです。」

アルバート「シンフォニースペクタル…か。」

ロクロ「アルバートさんはシンフォニースペクタルについて、なにか知っているのか?」

アルバート「私もウェポンソーサラー無しでシンフォニースペクタルを扱える者を見るのは初めてだ。」

ロクロ「へぇー、やっぱそれぐらい珍しいんだな。」 マリーナはその場で立ち止まり両手を肩幅程度に広げ、呼吸を整えるかのようにそっと目を閉じた

マリーナ「…スムース ゼフィール!」
カチャン、カチャン

ロクロ「鉄格子の柵が一瞬で切れたぜ!?」

ライラ「なにが起きたのかわからなかったわ…。」

ナーシャル「魔法みたいな感じでしたよね。」

リゼムン「マリーナは俺達とは違って、ウェポンソーサラー無しでさっきのような術を扱うことができる。」 そう言いながらリゼムンは自分のウェポンソーサラーを回収しにいった

マリーナ「それではみなさん、この邸宅から離れて街を出ましょう。」

ロクロ「とは言っても俺達、この大陸の土地勘がないから何処へ行けばいいのかわかんないんだよな…。」

アルバート「それなら私のローレンスシティーに案内しよう。ここから東方向の場所にあって、徒歩だと少し時間は掛かるが、大きな橋を渡ると直ぐ着くから迷うことはない。」

ナーシャル「色々と協力してくださり、ありがとうございます。」

アルバート「こうして君たちに出会えたのは、なにかの縁かもしれないからね。私が出来る範囲での協力はするつもりだ。」

ライラ「(やっぱり、アルバートさんって正真正銘の紳士って感じよね!)」

ロクロ「(まあ、そう感じるのも無理はないけどな。)」

リゼムン「……。」

こうしてロクロ、ライラ、ナーシャルはギャザリングレールウェイで出会ったアルバート、リゼムン、マリーナと共に次のローレンスシティへと向かうのであった。