南塔(ナントゥー)の創作ルーム

4月下旬頃に小説家になろうからアルファポリスに移行。創作は株取引を6月中旬頃から再開したので休止中。

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シンフォニーメモリアル2章

『謎の影 新たな大陸』


主要登場人物

ロクロ(主人公) 男 サキュラス団のメンバー。 元気と運の良さがある。自称ガイウンの右腕。年齢は17歳。

ライラ(ヒロイン) 女 サキュラス団のメンバー。ロクロとは仲が良い…はず。髪色は茶色でミディアムヘア。性格は多少気が強い乙女。 あと金目のモノに目がない。年齢は17歳。

ターク 男 サキュラス団のメンバー。風来坊のような男。真面目な性格で口数も少なく時々、気配が消えている?時もあるが、どんな状況でも冷静な判断、考えを出すことが出来る。年齢は19歳。

ガンダラヤック 男 サキュラス団のメンバー。語尾にケルを付けて喋る団のムードメーカー的存在。尚、性格はお察し。年齢は16歳。

ナーシャル 女 サマライズ大陸のハーヴァキャニオンで自然保護管理員として働く女性。性格はおっとりしており、癒し系の美女。髪は金色でお団子ヘア。 年齢は20歳。

ダバル長 男 ナーシャルの上司であり、ラベンダルズ居住区の長。年齢は30代。

風の精霊(エレメント) 200年前のことを知る精霊。

謎の男性 不明
謎の女性 不明

魔王マデューラ 200年前に精霊(エレメント)と対峙した敵。

魔王マデューラ勢
イルジョマーダス 魔王マデューラに仕えし魔物。


-本文-

サキュラス団、リゼムン達が消えた後のヒュザイナ研究所

??(謎の男性)「奴らを上手くこの場所へと誘導することが出来たな。」

??(謎の女性)「ええ。ただこの研究所にリゼムンが居たのは計算外だったわね。」

??(謎の男性)「奴はこの隕石の解明にたずさわっていたから不思議なことでもない。それより私が興味があるのはあの青年達だ。」

??(謎の女性)「あの青年の秘めた力が気になっている様子ね。」

??(謎の男性)「我々もいつか来る日に備えて、あの計画を進めていくとしよう。」

そして何処かへと飛ばされたロクロに場面が変わり


女性「…丈夫?私の声が…聞こえる?」

気を失っていたロクロが目を開けて

ロクロ「んっ…何処だ、ここは?」

女性「ここはサマライズ大陸にある自然公園ハーヴァキャニオンのミンティワ自然保護区よ。そして私はこの自然公園全体を保護や管理をする一員のナーシャルよ。」

ロクロ「ナーシャルか。俺はロクロだ。よろしくな。ここがサマライズ大陸って事は、どうやら俺は飛ばされてきたみたいだな…。」

ナーシャル「ええ、よろしくね。それより飛ばされてきたみたいって、どういう事?」

ロクロ「俺も何が起こったのか知らねえけど、バルバント国の首都グレンダからここまできたみたいだ。」

ナーシャル「現代の科学技術で人を飛ばせるモノなんてないはずだわ…。とはいえ、貴方が現にココに居るという事実は変わらないわね。」

ロクロ「なあ。ナーシャル、ここまで来るまでに俺以外の誰か見かけなかったか?」

ナーシャル「いえ、貴方以外は見かけていないわ。」

ロクロ「そっか…。グレンダから飛ばされる前に仲間達と一緒に居たんだけど、どうやらハグれてしまったみたいだな。」

ナーシャル「そうなの…。もしかしたら私達が生活している居住区ラベンダルズに行けば他の人が貴方の仲間達を見つけて保護しているかもしれないわ。ここに居てもらちがあかないですし、私が居住区まで案内してあげるわ。」

ロクロ「本当か!?助かるよ、ナーシャル!」

ナーシャル「では、私に付いてきてください。」

ロクロはナーシャルについて行き、居住区ラベンダルズへ向かった。そしてしばらく歩き続けていると森の中にある街の明かりが見えてきて

ナーシャル「あれが私達の居住区よ。人と自然が共存し、生活していくのがこの国サマライズのスタンスだから他の国とは違って何処も独特な雰囲気の街並みばかりなの。そして、このハーヴァキャニオンはPJFポリスジャッジメントフィールドの立ち入りは禁止されていて、この国の人達だけで運営、警備、自然保護をしているの。」

ロクロ「へえ〜。サマライズは自然と共存しながら生活しているんだな。ここは俺たちが住んでたところと違って、新鮮な空気が流れているな。」

そうして歩きながら会話をしていると、居住区の方からナーシャルと似た服装をした1人の男性がやってきた

男性「ナーシャル、帰ってきたか!実は今日、不思議な出来事があってな…。おや?隣にいる青年は誰だい?」

ナーシャル「居住区から少し離れたミンティワ自然保護区内を見廻みまわりに行った際、この青年ロクロが気を失い、地面に横たわっていたのを発見して声を掛けると気が付いたので話を聞くと、他の仲間達と逸れている。と言っていたのでこの居住区まで連れてきました。」

ダバル長「そうだったのか。申し遅れたが私がこの居住区《ラベンダルズ》の長、ダバルだ。君の名前は?」

ロクロ「俺の名前はロクロ。ダバルさんだっけ?さっき話そうとしてた事は、もしかして俺の仲間の事か?」

ダバル長「ロクロ君か。君の仲間《メンバー》かは分からないけどナーシャル以外にも見廻りをしている人達がいてね。君と同じように3人、気を失って横たわっていたから保護して居住区まで連れてきたよ。」
心の中の声ロクロ(多分、俺の仲間だ…!)

ロクロ「その保護した三人は今、何処に居るんだ!?」

ダバル長「今日はもう日が暮れてきているから僕の仲間が来客用の宿屋へ移動させていると思うよ。ナーシャル、ロクロ君を宿屋へ案内してくれないか?」

ナーシャル「分かりました、長。ロクロ、私に付いてきて。」

ロクロとナーシャルは宿屋にいる保護された人達の元へ向い そして、そこにはライラ、ガンダラヤック、タークの3人が居た

ライラ「…もしかしてあっちから歩いてきてるのロクロじゃない?」

ガンダラヤック「本当だケル!おーい、ロクロ〜!」

ヤックが呼び掛けている声にロクロが気付き

ロクロ「おっ、ライラ、ヤック!お前らも無事だったみたいだな!」

ライラ「気を失っていた私達を見廻りをしていた人達が保護して、ここまで連れてきてくれたのよ。」

ガンダラヤック「それでここの長に事情を説明して、今こうして来客用の宿屋に居るケル。」

ターク「俺も居るぞ、ロクロ。」

ロクロ「タークも無事だったか!…って、いつの間に居たんだ?」

ターク「俺はライラとヤックが呼び掛けている時からヤックの隣に居たぞ。」

ロクロ「すまねえ、ターク。お前も無事で良かったぜ。」
心の中の声ロクロ(何処へ行ってもタークの存在感の薄さは変わらないみたいだな…。)

ターク「ところでロクロ、リーダーガイウンと一緒じゃなかったのか?」

ロクロ「ああ。俺が目を覚ました時は一人だけだった。それで俺の隣にいるナーシャルが助けてくれて、この居住区まで案内してくれたんだ。」

目を細めながらライラがジーッとロクロを見て

ライラ「ふぅ〜ん、そうなんだ…。」

ロクロ「な、何だよ!?ライラ。俺が何かおかしなこと言ったか?」

ライラ「別に〜、何もないわよ〜。」

ナーシャル「ふふっ、2人は仲が良いみたいね。私の自己紹介が遅れましたが、この居住区に住んでハーヴァキャニオンを管理する一員のナーシャルよ。よろしくね。」

ライラ「私はライラよ。ナーシャルさん、よろしくね。」
心の中の声ライラ(綺麗な人…。大人の女性って感じの雰囲気があるわ…。)

ガンダラヤック「オイラはガンダラヤック。メンバー達からはヤックって呼ばれているケル。」

ターク「俺はタークだ。よろしく頼む。」

ナーシャル「仲間と合流出来たみたいですし、ロクロ君も今日はここで泊まったらいいんじゃないかしら?」

ロクロ「良いのか、ナーシャル!?」

ライラ「ナーシャルさん、でしょ。ロクロ。」

ロクロ「まあ細かい事は気にするなって。」

ナーシャル「ふふっ、ナーシャルで構わないわ。明日の朝、私がまたここへ迎えに来るわ。それじゃあ、ゆっくり過ごしてね。」

ロクロ「今日は色々と助かったぜ。ありがとな、ナーシャル!」
去っていくナーシャルにロクロは手を振った

そしてメンバー達は宿屋で食事を済ませ、部屋でくつろいでいた

ターク「リーダーが居ないと8年前の頃を思い出すな。俺達四人は身寄りがない集まりで盗んだ物を通貨ルージュルーンに替えながら暮らしていく不安定な生活だったから、リーダーに会うまでは大変だったな。」

ロクロ「そうだったな。確か俺達4人で一攫千金狙いでグレンダの高級住宅地へ盗みに行った時に家主に見つかって通報されて、駆けつけてきたPJFに捕らえられそうになったところにガイウンが現れたんだっけ。」

ライラ「ええ。偵察を何回もして綿密に計画を立てていたけどあの時だけは、まるで私達が仕掛けられていた罠に引っ掛かったかのようにPJFがすぐ駆けつけてきたわ。」

ガンダラヤック「リーダーの手助けがなかったら今頃は、自由の身じゃなかったケル。」

ロクロ「ああ。そしてあれ以来、俺達にとってガイウンは欠かせない存在になった。」

と過去の思い出話をした後、少し間が空いてロクロが再び話し出す

ロクロ「…それで明日の予定はどうする?ガイウンを捜しに行くか?」

ターク「そうしたいところだが、サマライズ大陸に土地勘のない俺たちが闇雲に捜索しても迷ってしまうのがオチだろうな。」

ライラ「そうね。明日、ナーシャルさん達に色々と聞いてみたら何か情報が得られるかもしれないわ。」

ガンダラヤック「そうと決まれば明日に備えて、今日は寝たほうが良さそうケルね。」

ロクロ「んじゃ、今日はもう寝るか。おやすみ!」

こうして4人のメンバーは眠りにつくのであった…そしてその夜、ロクロはある夢を見る

サマライズ大陸には風、土、水の精霊が眠る場所が3ヶ所ある…今いる場所から近いのは風の精霊が眠るほこらだ。目印となるものは…人と自然が…交わり…風が空へと舞い上がる場所…

と言った瞬間にロクロが夢から覚め
心の中の声ロクロ(さっきの夢の中で言ってた事は何だったんだ…?確かグレンダの研究所に居た時にも同じ声が聞こえてきた…。)

不思議に思いながらもロクロは再び眠りにつき、朝を迎えた

ライラ「…クロ、起きなさい!そろそろナーシャルさんが迎えに来る時間になるわよ!」

ロクロ「ん〜…もうそんな時間なのか…。ふぁ〜…。」

ライラ「ターク達と先に外に出て待っているから、さっさと身支度を整えて来なさいよ!」

そう言ってライラ、ターク、ガンダラヤックの3人は宿屋の外へ向かっていった
心の中の声ロクロ(夜中にみた夢は多分、気のせいだろうな…。)
そう心の中でボヤきながら身支度をして外で待つ三人と合流するのであった

ガンダラヤック「ナーシャルさんがこっちへ歩いてきてるケル!」

ターク「昨日言っていた時間通りだな。」
そしてナーシャルは4人と合流して

ナーシャル「おはよう、みんな。昨日の夜はよく眠れたかしら?」

ライラ「はい。私達を宿屋へ泊めていただいて、ありがとうございます。」

ナーシャル「御礼なんていいわよ。ここはよく他の国の人達がよく訪れる場所だから慣れているの。ただ不思議な現象で訪れたのは、貴方達が初めてですけどね。」

ガンダラヤック「どうやらオイラ達は、この地に新たな伝説を残してしまったみたいケルね!」

ターク「ヤック、それはおそらく記録に残る事では無いだろう。」

ロクロ「なあ、ナーシャル。」

ナーシャル「何かしら?」

ロクロ「昨日、オレ達以外に保護した人っていなかったか?」

ナーシャル「ロクロ君達以外に保護したっていう話は聞かなかったわ。」

ロクロ「そっか…。ナーシャル、もう一つだけ聞きたいことがあるんだけどいいか?」

ナーシャル「なんでしょうか?」

ロクロ「ハーヴァキャニオンで人と自然が交わり、風が空へと舞い上がる場所って何処かに無いか?」

ナーシャル「ん〜、人と自然が交わり、風が空へと舞い上がる場所…私では判らないわね。」

ロクロ「そっか。」
心の中の声ロクロ(まあ、そうだよなあ…。)
とロクロが思っていたところへダバル長がやってきた

ダバル長「何の話をしているんだい?」

ナーシャル「長、ロクロ君がハーヴァキャニオンで人と自然が交わり、風が空へと舞い上がる場所は何処かにないか。と尋ねてきて…。」

ダバル長「ハーヴァキャニオンで人と自然が交わる場所…以前、図書館にあった古文書でロクロ君が言ってた文章を読んだことがある。」

三大陸につかさどる9体の精霊エレメント。各大陸に3体ずつ眠り、この世界の均衡バランスを保つ。

ロクロ「精霊エレメント…俺が聞いた言葉だ!ダバルさん、その話の続きはあるのか!?」

ダバル長「あ、ああ。」

風は人と自然が交わり、風が空へと舞い上がる場所

土は日差しが照りつけ、ひび割れた谷のある場所

水は絶えず滝のように流れる場所

火は消える事無き場所

雷は周辺を一望できる高い山

氷は溶ける事なき場所

光は三日月の夜に輝き続ける城

闇は見えない影となる場所

ダバル長「ただ僕が解読して読めたのはそこまでだったけどね。何故か9つ目に関しては記されていなかった。」

ロクロ「俺にはサッパリわかんねー。一体、どういう意味なんだ…。」

ダバル長「これは僕の推測だけど、おそらく精霊が眠る場所を示しているのではないかと思ってる。そして人と自然が交り、風が空へと舞い上がる場所っていうのはここ、ハーヴァキャニオンの可能性が高い。」

ナーシャル「ですが、長。私達が今まで探査した場所に祠や遺跡のようなモノは見つかりませんでしたよ?」

ダバル長「僕達が国から運営や管理などを任せられていたのはミンティワ自然保護区と居住区までだ。もしかしたら、僕達が未だ知らないハーヴァキャニオンの一面があるのかもしれない。」

ライラ「風が空へと舞い上がる場所。って部分が精霊の場所に関するキーポイントになるかもしれないわね…。」

ターク「空へと舞い上がるというところだと、空洞みたいな場所ぐらいしか思い浮かばないな。」

ダバル長「…皆んな、僕に付いてきてくれないか?」

ナーシャル「何か分かった事があるんですか?」

ダバル長「ああ、ハーヴァキャニオンの地図を見れば分かるかもしれない。」

ガンダラヤック「なるほどケル。それで地図は何処にあるんだケル?」

ダバル長「普段、僕達が住んでいる建物のエントランス内に掲示してあるんだ。ここからそう遠くない距離だよ。」

ロクロ「それじゃあ、そこへ行くとするかっ!」
ロクロ達はダバル長とナーシャルについて行きエントランス内に地図が掲示してある場所へたどり着くと、ダバル長とナーシャルが説明をし始めた

ダバル長「赤い印が今、僕達がいる居住区ラベンダルズだ。そしてこの居住区周辺を囲むようになってある森と平原がミンティワ自然保護区。」

ナーシャル「それで私達は普段からミンティワ自然保護区の見廻りをしているって説明はしたと思うけど、ここ南側だけは立ち入ってないの。」
そう言った後にナーシャルは地図の南側を指でさした

ロクロ「何でここだけ何も描かれていないんだ?」

ナーシャル「今までそこへ調査に行ったこの国の学者さん達が全員行方不明になったの。今は立ち入り禁止になって誰も足を踏み入れてないわ。」

ダバル長「だから僕達は近寄らないように他の国から来た人達にも伝えてる。」
そう話していると誰かに助けを求めているような声が聞こえてくる

女性A「誰か!誰か!私の息子を見かけた人はいませんか!?」

ダバル長「何かあったのですか?」

女性A「私の息子が…朝起きたら居なくなっていたんです。」

ダバル長「息子さんが…昨日の夜に明日、何処かへ行く等の話はしてましたか?」

女性A「ええ、確か友達と度胸試しに南側の立ち入り禁止区域に行くとか…。」

ナーシャル「…長!まさかさっき言ってた場所なのでは?」

ダバル長「ああ、そうだと思う。」

ロクロ「ダバルさん、早くその人の息子さんを助けに行こうぜ!」

ダバル長「そうしたいのは山々だが、私が居住区(ラベンダルズ)から離れると不在の時にもしもの事が起きたら対処できない…。」

ターク「ならオレ達4人がその息子さんを助けにいくというのは、どうだ?」

ガンダラヤック「泊めてくれた恩もあるケルし、今度はオイラ達が返す番ケル。」

ライラ「ダバルさんはこの居住区にいて下さい。私達が捜しに行きます!」

ダバル長「君達に感謝するよ。ナーシャル、この4人に同伴してくれないか?ここら辺を知ってる者が居ないと迷うかもしれないからね。」

ナーシャル「分かりました、長。」

ダバル長「そうと決まれば万が一、戦闘になった場合を考えてアレが必要になるか…。」

ロクロ「アレってなんだ?」

ダバル長「人数分持ってくるから少し待っててもらえるかな?」
そう言ってダバル長はアレという物を取りに行った

ナーシャル「長が取りいった物、私は普段から護身用として身につけているのよ。」

ガンダラヤック「オイラ達も金目になる物をよく盗みに行く事があるからナイフを持って…。」
と話している途中でロクロとライラが焦りながらヤックの口を塞いで

ライラ「え、え〜と、私達も普段から護身用にナイフを携帯してま〜す!」

ロクロ「あ、ああ。そ、そうだよな。こんな平和な世の中でも何が起きるか分からないからな、ハハハ〜。」

ナーシャル「相変わらず面白い2人ね、フフッ。」
そうして話をしているとダバル長が戻ってきて4人にアレを渡す

ダバル長「これで君達も何かあった時に身を守ること出来るよ。」

ターク「リストバンドのような物が1人2個ずつあるな。」

ダバル長「そのリストバンドを両腕に一つずつ装着してみると、どんな機能があるのか判るはずさ。」
そして4人が渡されたリストバンドを装着する

ロクロ「うぉーッ!何だこれ!武器になってんじゃん!これは打刀か!?」

ライラ「ホントだわ…私の方は銃になってる。どうやら私達全員、それぞれ違う種類タイプの武器になってるようね。」

ダバル長「これはウェポンソーサラーという物でね。唱術シンフォニースペクタクルの技術を応用して武器を具現化させているんだ。」

ナーシャル「簡単に言うと、魔法のような力をウェポンソーサラーを通じて物体に変化させていると思ってくれたらいいわ。唱術は元々、限られた人にしか使えない術だったから、それを別の物として汎用化はんようかする事が出来ないのかと思案して開発されたみたいです。」

ダバル長「そして人によって種類が変わる仕組みはウェポンソーサラー自身が装備する持ち主の身体能力に合わせるから、直ぐに馴染んでくるはずだよ。」

ガンダラヤック「スゴいケル…オイラの武器はハンマーだけど全く重さを感じないケル。」

ターク「俺の武器は槍だが、さっきウェポンソーサラーを付けたばかりなのに手に馴染んでいる。」

ライラ「私達がグレンダで過ごしていた時にはこんな物、見たことなかったわ…。」

ダバル長「普段の生活を送る上で一般の人がこれを使う機会はあまりないからね。初めて見るっていうのは不思議なことではないよ。」

ロクロ「もしこれが壊れた時は、どうすればいいんだ?」

ナーシャル「それには自己修復能力も備わっているんです。だから専門の店にわざわざ持っていったりする必要は無いの。」

ダバル長「ウェポンソーサラーに関して必要な説明も済んだことだし、ロクロ君達と一緒にあの女性の息子さんの捜索を頼む、ナーシャル。」

ナーシャル「分かりました、長。」

ロクロ「そんじゃ、未知なる場所へ出発だ!」

ライラ「全く…緊張感のカケラもないわね、ほんと。」

ガンダラヤック「それがロクロの良いところだケル。」

ターク「だな。」
ナーシャルを含むロクロ達5人はミンティワ自然保護区の南側へ向かっていった
そして立ち入り禁止域の南側へロクロ達が到着する

ロクロ「なんか薄気味悪い所だな、ここ。」

ガンダラヤック「オバケか何か出てきそうな雰囲気ふんいきだケル。」

ターク「誰も来ない場所だからな。そういったたぐいの奴が現れても不思議ではない。」

ライラ「呑気のんきなことを言ってる場合じゃないでしょ、ターク。女性の息子さんとその友達を捜しに行くわよ。」
そうしてしばらく森の中を歩き続けるも、捜している息子さんとその友達の気配は全く感じないまま時間だけが過ぎていき、ナーシャルがある異変に気がつく

ナーシャル「なんだが少し妙ですね…さっきからずっと同じ景色を眺めているみたいような感じがします。」

ロクロ「そうか?」

ライラ「ええ、私もさっきからナーシャルさんと同じ違和感を感じてるわ。」

ターク「……。ヤック、前方に見えるあの木の前に立ってくれないか?」

ガンダラヤック「了解ケル。でもターク、これはなんの意味があるのかケル?」

ターク「まあ、すぐにわかるさ。ライラはあっちの木でロクロはそっちの木の前へ移動してくれないか?」

ロクロ「ああ、分かったぜ!」

ライラ「分かったわ、ターク。」

ターク「ナーシャルさんはライラと一緒に居て下さい。俺はロクロやヤックと違う方向にある木の前へ移動するので。」

ナーシャル「分かりました。」
そしてロクロ、ライラとナーシャル、ガンダラヤック、タークはそれぞれ南北東西に別れる
ターク「みんな、ダバルさんから貰ったウェポンソーサラーを使って目の前にある木を俺の掛け声と同時に破壊してほしい。」

ロクロ・ライラ・ガンダラヤック「了解!」

ターク「それじゃあ、行くぞ。一二の…三!」
そして4人が同時にそれぞれの木へ攻撃を与えた瞬間、薄暗い森から景色が一変した

ロクロ「なんだここは…森に囲まれた空洞みたいな場所で、湖の真ん中に祠があるぜ。」

ガンダラヤック「さっきとは違って上を見上げると空が見えるようになってるケルよ!」

ナーシャル「みなさん見てください!あそこに子どもが2人倒れています!」
ナーシャルが子ども2人を見つけると、その前から大きな木の魔物イルジョマーダスが姿を現したのと同時にライラとナーシャルの元へ他の仲間3人が駆けつけ合流する

イルジョマーダス「フォッフォ、長年の間破られることの無かったワシの術をよく見破ることが出来たな。」

ターク「持っているナイフで入り口から木に目印として3種類のキズを付けながら歩いていたからな。そしてヤックを立たせた木に数十分前に付けたキズと同じキズが付いていた。おそらくお前が作り上げたあの空間は何パターンかに分けて森の中を進んでるように錯覚させていたのだろう。」

イルジョマーダス「その頭の良さは褒めてやろう。だがお前らはここでワシに倒される事に変わりはない。」

ナーシャル「どうやら、この魔物が長年ここら辺一帯を牛耳っていたみたいですね。調査にきてた人もあの魔物にやられたみたい。あそこをよく見てみてください。」
メンバー全員が魔物の木の枝を見ると、そこには人の頭蓋骨らしきものがオブジェのようになっていた
ロクロ「ったく、趣味の悪い魔物だぜ…。」
そして魔物は木の根の部分を使い振り上げて5人を1人ずつ叩き潰そうとしてきた

ターク「ロクロ、お前の刀でコイツを真っ二つに切れそうか?」

ロクロ「幾らなんでも大きすぎて俺の刀じゃ出来そうにないぜ!」

ライラ「私が引きつけて時間を稼ぐわっ!その間にタークとロクロはヤツ魔物の弱点を探して!」

ナーシャル「私はライラさんの援護をしますね!」

ガンダラヤック「オイラは2人の子どもを安全な所へ非難させるケル!」
メンバー全員が魔物イルジョマーダスの攻撃を避け、それぞれ決めた役割を行う

ガンダラヤック「ヒャアァァ!オイラは木の枝のような頭蓋骨オブジェクトの一部になりたくないケル〜!」
ガンダラヤックは涙目で子ども2人を抱えて安全な場所へ移動させる

ライラ「ブロンズショット!」
心の中の声ライラ(ロクロ、ターク頼んだわよ…!)

ナーシャル「レインアロー!」

ライラは敵を引きつけるように銃で牽制射撃を行い、ナーシャルはライラを援護するかのようにウェポンソーサラーを使い、無数の矢を魔物に放つ

ロクロ「ナーシャルは弓使いだったんだな。…って、そんな事言ってる場合じゃなかったな。俺たちはヤツの弱点を探るぞ!」

ターク「ああ。」
魔物の背後に回り込むようにして2人は移動する

イルジョマーダス「小賢しい奴らよ。まとめて蹴散らしてくれるッ!」

術によって作り上げた竜巻が発生してガンダラヤックを除くメンバー全員を襲う
ライラ「きゃぁぁぁ!」

ナーシャル「ライラさん!」
竜巻によってライラが宙へと浮かび、魔物イルジョマーダスに捕らえられる
ロクロ「くそッ、ライラッ!」

ターク「あの竜巻をどうにかしないとライラを助けることが出来ん。」

すると突然、ロクロだけ精神世界のような無の空間となる

(青年よ。ワタシの声が聞こえているか?もし聞こえているなら、あのマデューラに仕える魔物を倒す風の力を与えよう)

ロクロ (マデューラ?聞いたこともないぞ?)

(今生きてるヤツがマデューラを知るはずもない。200年前に我等、精霊エレメントが封じ込めた魔王だ。またこうして仕える魔物が現れたということは誰かが封印を解いたのだろう…。)

ロクロ (よくわかんねーけど、とにかく俺はライラ仲間を助けたいんだ!)

(その仲間を助けたいと思う真っ直ぐな気持ち、あやつを思い出すな。…良いだろう!お前に風の力を与える!)

そして精神世界からロクロの意識が戻ってきた瞬間、湖の真ん中にある祠が光り出し風が空へと舞い上がり魔物イルジョマーダスが発生させていた竜巻が消える

イルジョマーダス「なんだ、この力は!?ワシの竜巻が一瞬で消えただと!?」

ターク「どういうことだ!?」

ガンダラヤック「一体、何が起きたケル!?」

ナーシャル「今まで見たこともない力だわ…!」

ロクロ「ライラ!今助けるからな!」
そう言って高く飛び上がり魔物の正面へと向かう。
ライラ「正面からなんて無茶よ、ロクロ!」

イルジョマーダス「馬鹿な奴め!竜巻が無くなろうともワシはまだ戦えるぞッ!」
ロクロの刀に、かまいたちのような風がまと

ロクロ「無情に断ち切れ…!絶風豺斬ぜっぷうさいざん!」

イルジョマーダス「フハハッ!何も起きないではないか。これで終わ…」
次の瞬間、魔物イルジョマーダスはライラを捕らえている箇所以外が切り刻まれた状態となる
イルジョマーダス「馬鹿なぁぁ!ワシはマデューラ様に使える魔物。こんな形で終わってたまるものかぁ!!」
そう言い残してイルジョマーダスは姿を消した

ロクロ「大丈夫か、ライラ?」

ライラ「え、えぇ…助けてくれてありがと。」ライラの頬が少し赤くなる

ターク「ロクロ、いつの間に強くなったんだ?」

ロクロ「いや、さっきのは俺の力じゃなくて風の精霊エレメントの力だ。」

ナーシャル「精霊が本当に存在していたのね…。すごい力だったわ。」
子ども2人を守る為、安全な場所に避難していたガンダラヤックが近くまで来て
ガンダラヤック「ロクロ、さっきのは凄かったケル!まるで別人みたいに感じたケルよ!」

ロクロ「そ、そっか〜?」

ナーシャル「暗くなる前に居住区へ帰りましょうか。」

ライラ「そうですね。捜していた子ども2人も居ましたからね。」
そうしてロクロ達は居住区ラベンダルズに戻ったのであった

ダバル長「みんな無事だったみたいだね。良かったよ。」

ロクロ「ダバルさん、まずこの子ども2人を親の元へ連れていってあげてほしいんだけど。」

ダバル長「分かった。この子ども2人を親の元へ連れていってくれ。」

男性A、B「分かりました、長。」
そう言ってダバル長の隣いた男性2人が子どもを連れていった
ナーシャル「長、ミンティワ自然保護区の南側は恐ろしい魔物がんでいました。そして行方不明になっていた調査員の人達は、その魔物の餌食えじきとなっていたみたいです。」

ダバル長「そうだったか…報告してくれてありがとう、ナーシャル。そういえば何時間か前に強い風が吹いてたみたいだけど。」

ナーシャル「それについては…精霊エレメントが実際に存在していました。」

ダバル長「本当かい!?だとしたら、あの古文書で読んだ文は本当の話かもしれないってことか。」

ロクロ「その精霊に関してなんだけど、俺たちその精霊を探す旅に出ようかと思ってるんだ。」

ダバル長「そうか…分かった。とりあえず今日は色々あっただろうし、宿屋に泊まっていくといい。居住区に住んでる子どもを助けてくれた恩もあるからね。」

ライラ「私達は困っていた人がいたから助けただけです。」

ナーシャル「そうだとしても、あなた達の行動は誰にでも出来る事ではないわ。」

ダバル長「その通りだ。君たちは若い。これから色々あると思うけど、いずれ弱い立場の人間を守れる存在となってほしいと思ってる。」

ターク「誰かを守る存在か…それも悪くはないかもしれないな。」

ガンダラヤック「オイラ達のリーダーみたいな感じケルかね〜。」
心の中の声ロクロ(ガイウン、お前は今何処にいるんだ…?)
しばらく話した後、ロクロ達はダバル長とナーシャルと別れ宿屋で泊まった。 そして朝を迎え…

ダバル長「また此処へ寄る機会があれば来るといい。いつでも歓迎するよ。」

ライラ「ありがとうございます、ダバルさん。」

ナーシャル「みんなに出会えて良かったわ。」

ロクロ「俺もナーシャルやダバルさん達に出会えて良かったぜ!」

ガンダラヤック「今頃、誰にも気づかれないまま気を失っていたら森のオブジェクトになっていたところケル。」

ターク「ヤックの場合はオブジェクトではなく、まず動物の餌となってそうだがな。」

ロクロ「それはあり得る話かもしれないな!」

ダバル長「仲間とはいいものだな…ナーシャル。」

ナーシャル「なんでしょうか、長?」

ダバル長「ロクロ君達と一緒に旅をしてくるといい。」

ナーシャル「ですが長、私の仕事はまだ途中段階のものもありますし…。」

ダバル長「君にはこのハーヴァキャニオン以外の事も知ってきてほしいんだ。」

ナーシャル「…分かりました、長。私はロクロ君達と旅をする事にします!」

ライラ「改めて、よろしくお願いします。ナーシャルさん。」

ターク「よろしく頼む。」

ガンダラヤック「よろしくケル!」

ロクロ「よろしくな!ナーシャル!」

ナーシャル「フフッ、こちらこそよろしくね!」
こうしてロクロ達はナーシャルを仲間に加えて精霊エレメント探しの旅へと向かうのであった


続き
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前回
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地名・用語集
三大陸
バルバント 首都グレンダ

サマライズ ハーヴァキャニオン(ミンティワ自然保護区、ラベンダルズ居住区、立ち入り禁止区域)

ユニバースヴェライアント

ルージュルーン→この世界の通貨

ウェポンソーサラー→唱術(シンフォニースペクタクル)の技術を汎用化させた武器(個体差で種類が変わる)

9つの精霊(エレメント)→風、土、水、火、雷、氷、光、闇、?

謎の隕石→今のところ不明

ロクロだけに聞こえる謎の声→今のところ不明